その先にあるものは、鈴木裕和 「ブルベのすべて」、自転車本読書

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直球のタイトルにも惹かれてこれはと思い購入。
これまでブルベと言うニッチな分野の本って商業誌では余り無かった。
そもそもボランティアで小さく運営、開催されているブルベが表立っては居なく、
自転車を趣味としていても、へえと言うちょっとした別世界な気がしていた。

そんなふうに考えていた時期が…
自分がブルベに参加した初年は2010年、
いわゆるBRMと言うのが始まったのでも2002年から。
国内ではまだそこまで歴史は長くは無い。
(ジロ・デ・イタリアが今年100回目とか言うのと比べたらだけど)

そのブルベだが、
割りと一般人的にも認知が進んだのは、
同人誌ロングライダースであり、漫画のろんぐらいだぁす!だろうね。
ここ数年でブルベ始めましたって人はここが入り口の人も多い。

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さて本題の本の話し。
この本の著者、鈴木裕和氏はもちろん面識は無い。
無いがブログはそこそこ前から拝見していた。
ブルベと言うロングライドを楽しみつつも、ヒルクライム大会へ自走で参加して自走で帰宅する、
ちょっと意味が分からないと思ってみたりした。

著者がブルベに参加したのが2005年から。
その自転車がフラットバーのクロスバイクって言うから驚く。
ダイエット片手間で始めた自転車でいきなり200km走ろうって言うから、
最初からそう言うロングライド素質はあったんだと思う。
文章からは謙遜と言うか最初はみんな初心者だから、と言う雰囲気はあるがなかなかそうは行かない。
現実、私はロードバイクを初めて初200km超えは4年か5年目だったと思う。

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(ダンボーミニさんと同じ厚み)

さて各章は、
ブルベの認定は短い距離から順番に、が基本なので、
そもそもから始まり200km、300km、400km、600kmと順番に解説されている。
既にブルベを走っている方からすると、
装備だったりロングライドにおいての注意点だったりは既知の話し。

ブルベに向いている自転車は何?
と言う話題は特に出てくるけれど、
公道を走れる車種なら何でもありよと言える。
ファットバイクも最近は見たりする。
本書でも度々述べられている通りに、
エンジン次第なので。

ただ、
自分の経験と本書の中で触れられている電動シフトは良いよ。
デメリットの電源や構造性もあるが長時間ライドを楽にしてくれる道具は、
一度使うと辞められない。

各章ごとに囲みで挿入される、
ショートストーリー的なコラム。
あとがきでどうだろうと言っているけれど、
これは入れて正解。
むしろ既知の情報が多い自分にとってこっちがメインで楽しめた。
(半ストーリーで小説書いてみては?)
一部フィクションと言って200kmからトラブルや苦労を盛り込んで、
400kmは満身創痍での完走としているけれど、
その実際にあったかもしれない状況はとても参考になる。

ブルベやロングライドでの話題に上げるのは結局機材トラブルか身体的トラブルなのだ。
機材については、やはりある程度自分で自転車をいじる経験が必要。
命を預けるロードバイクを素人の自分がいじるなんて!
と言うメンテは全てプロショップへ投げるって人は一定数居る。
しかしブルベを走るならそれは駄目だと思うんだよね。
いちから組み立てられる知識や技術を持てとは言わないけれど、
パンク修理以上の自転車構造知識は持ってから参加して欲しいところ。
(特にレベルの高い技術でも無く、変速調整やヘッドパーツの構造程度の事だけど)

身体的なトラブル。
ハンガーノックや補給の難しさ、
これは実際に走ってその疲労の中で自分を知るしか無い。
胃が強い弱いがあるし食べ物の好みもある。
本を参考にしてなるほどと思っても実践出来るかはやってみなけりゃ分からない。
一つ、著者経験から記載がある”熱中症”
これだけは気をつけて。
当時Twitterでもアメリカ横断レースを観戦していて、
熱中症で意識喪失、落車と言うのを傍から見ていて凄く心配した。
先日ブログでもタブレットを紹介したが今時期からでも、
晴れの日には注意して欲しい。

長い距離の開催がほぼ春先までに集中しているブルベ、
もちろん真夏はその熱中症の危険もあるので、心配は少なめかと思う。
その次の項目、
睡眠、眠気について。
これを書くのは憚れると言うのも、
居眠り運転は絶対に駄目な行為。
しかし飲酒運転と違って数値化出来ない症状だ。
客観視出来ない限りこれも本人の身体的状況次第である。

この項目で著者はPBPでの経験から、
眠くなったら直ぐ寝る、寝ることを前提に計画を立てる。
至極まっとうな回答を経験からも記述している。
コラムで満身創痍の400kmから次の600kmストーリーではネットカフェで仮眠している。
事故を起こしたら元も子もない。
眠くなったら立ち止まって寝よう。
どこで寝るか?そこも問題視されるが、
なるべく目立たない安全な場所でね。がっつり野宿では無いはずなので良いと思う。
15分だけ目を閉じるだけで効果がある。

1000km~
先の項目は自分にとっては未知数。
しかし読んでいて意外?と無理数では無い気がする。
そこは余暇が取れるかにあるが、
600kmをマネジメントして走れる走力が身についた人なら行けるはず。
そこのノウハウは本の細かな解説よりも、
あなたの経験がもうその資格に達している。

追記とさいごに
おろらく執筆の最後の出来事であっただろうけど、
この本のカバーに笑顔で写っているAJ会長稲垣氏の事故死の事。
非常に心苦しい出来事であったと思う。

そう、
毎回ブルベの事を書けば必ず書かなければならない事は、
お家に無事帰るまでがブルベです。
忘れてはならない。
家族にへとへとで帰宅して今日は何km走ったの?と聞かれて◯◯km~
はぁ馬鹿じゃない?と呆れられてやっと終わりである事を。



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